◇◆ ミスティングシステムのつくりかた、目次 ◆◇
◇このページについて/About this page
▽ポンプについて
▽接続について
▽PISCOのチューブ・フィッティングについて
▽ノズルについて
▽自動給水貯水槽について
▽ポンプとの接続
▽ネジを刻んでみよう(好みのノズルを作ろう)
▽振動によるノズルの破断について
▽タイマー制御
▽終わりに
このページについて
此の頁は、ミスティング・システム(ミスト・システム)のつくりかたについて書かれたものです。
ミスティングシステムは、ヤドクガエルの飼育で有名になっていますが、それ以外のあらゆるカエル、樹上棲トカゲやヤモリ、イモリ、樹上棲のヘビなど、さまざまな生き物の飼育に利用できる便利なツールです。飼育ケースを改造する必要はありますが、それに見合うだけの利便性があるかと思います。管理人は、森林棲の樹上棲トカゲやヤモリ、地表棲のヤモリやトカゲの飼育にも、ミスティングシステムを使っています。
作り方といっても、別に旋盤を使って金属から削り出すフルスクラッチの工作とかではなく、たんに市販の商品を組み合わせて、ミスティングシステムを構築しよう、というだけものです。ここでは、管理人自身が幾つかの製品を購入して組み合わせ、試行錯誤した経験をふまえ、一番オススメだと思われた製品の組み合わせを紹介しています。今回、性能や入手しやすさはもちろんですが、コストもオススメするにあたって重要な要素として考えました。ポンプまわりで安いもので数千円から、高くても一万円ちょっと。ノズルはどういったものを使うかにもよりますが、一個あたり千円ちょっとぐらいになっています。入手方法を工夫すれば(為替が有利な時ならば、海外から輸入するとかすれば)、より安く入手することも可能かもしれません。
ただし、このページを参考にして何かトラブルになったとしても(水漏れしてパソコンが壊れたとか、階下の人からうるさいと怒られたとか、ポンプが火を噴いたとかあったとしても――いや、もし火を噴いたらポンプメーカの問題になると思いますが――)、管理人は責任は持てませんのでご了承下さい(こんなこと、書くまでもないと思うのですが、一応書いておきます。もちろん、トラブルにならないよう、いろいろな状況を想定して(書かれていないとしても)、チェックはしていますが)。
ポンプを選ぼう
ミスティングシステムには、水道圧よりも高い圧力で水を押し出せるポンプを使います。ヤドクガエルの飼育で使うような、細かい霧状の噴霧をするノズルを使用するには、水道圧では足りないからです。普通の霧吹き程度であれば、つまりノズルの仕様や数、経路の長さや次第では、水道圧でも足りるでしょう。水道は圧力こそ低いですが流量には余裕があるため、散水ノズルなどを使用するなら、水道直結でシステムを組むことが可能です(ただし、これは地域により大きくことなるので、低圧の地域ではこの限りではありません)。
しかし、粒子を細かく、また自在に、また数を多くしていこうと思うと、高い圧力が必要になります。これは、経路が長くなればなるほど顕著になります。なぜなら、長い経路の内部の水圧がほぼ一定でないと、先端のノズルからは上手く水が噴霧されないからです。経路を長くしても、どこでも安定してミストを出すには、経路全体に圧力を加えられる十分な性能がポンプに求められます。
ポンプ、というと、お風呂の水抜きに使うポンプや、池、熱帯魚の飼育などに使われているポンプなどが身近でしょう。ですが、こうしたポンプは、流量こそあるものの、圧力を出せる構造ではないため、今回のような用途には使えません。詳しくは省きますが、ともかく、そういったポンプとは構造が異なるタイプの、圧力を出せるポンプが必要です。
必要な圧力は、ノズルに依存しますが、同時にノズルに水を運ぶ経路に用いるチューブの耐圧も考慮しなくてはなりません。このあたりの兼ね合いで、当ページでは、0.7-1.0MPha弱ぐらいの圧力を出すポンプを使っています。問題は、この圧力を出せるポンプは日常生活用品にはまずなく、入手するのが意外に面倒だということです。
もちろん、日常生活といいましたが、町の至る所で使われてはいます。水道施設のような大がかりなところでなくても、マンションやビルなどにもあるでしょうし、井戸の汲み上げ用ポンプにも規模が小さいとこの手のポンプが売られているようです(残念ながら、圧力がミスト用にするには足りないのですが)。このように、用途別に様々な圧力に設定されたポンプが世の中には沢山あるのですが、一般家庭で必要とされることがないので、欲しいと思って購入しようとしても、そこらへんではあまり売っていません。そういった業種の方ならば簡単に手に入るものではあるのでしょうが。その上、できるだけコストを安くしておきたい、となると、世に溢れるポンプの中から、用途に向いた製品であり、かつ、個人でも入手しやすいものを探す、ということになります。
ここで、今後この頁で何度か出てくる部分でもあるので、単位について軽く触れておきます。ミスティングシステムに使うポンプの性能の中で重視すべき圧力ですが、圧力には幾つかの単位があり、ポンプの性能表には、その単位のいずれかで書かれています。
精確ではありませんが、圧力の単位は、
10 kgf/cm2 ≒ 0.98MPa ≒ 9.8bar ≒ 10気圧
と、だいたい覚えておけば、ポンプの仕様書を見たときにどれぐらいの性能なのか判断がつくかと思います。
ポンプの種類や設置方法にもよりますので一概には言えないのですが、必ずしもポンプの性能として表記されている数字がそのまま実効になるわけではありません。例えば、電磁ピストンポンプでは、自体に15barの性能があると、ノズルを接続したときに1.0~1.2MPha (10bar)ぐらいの圧力が出るのに対して、単層モータで駆動するプランジャーポンプでは、性能の数値がほぼそのまま出るようです。試してはいませんが、構造からしてベーンポンプなども性能の数値そのままの圧力を発揮できそうです。このあたりは、ポンプの性能の上限ぎりぎりで駆動させているか、それとも余力のある状態で駆動させているか、というのも関わってくるかと思いますが。
いずれにせよ、ポンプには性能として出しうる最高圧力が表記されているので、それがポンプを選ぶ判断基準にはなるでしょう。例えば、高圧洗浄機を改造してポンプに使えないか、という問いがあったとすれば、あれは最低でも4.0MPhaぐらい、高いものでは7.0MPhaぐらいの圧力で水を出す仕組みになっているので、使えない、という風に答えられることになります(ただ、3.0-5.0MPhaあたりの圧力で仕様する微細噴霧ノズルが国内で出回っていますので、そのノズルを使うならば使えなくはないかもしれません。ただ、それらはドライミストなのでミスティングと呼ぶには細かすぎる感もありますし、高圧すぎてPISCOのチューブフィッティグは使えなくなってしまうので、経路にはステンレス管などの別のものを用意しなくてはならなくなります)。
このページで紹介されているノズルやチューブを使用してミスティングシステムを作る場合には、性能表に、「10~kgf/cm2」「1.0MPha」「10bar」「75-100psi」「max125psi」あたりの数値があるポンプが適しているかと思います。
イタリアのULKA社のポンプは、電磁ピストンポンプと呼ばれるポンプの一種で、エスプレッソマシンなど一般にも幅広く使われており、廉価な製品であることも含め理想的なスペックであるため、Vivaria Projectsを始め、複数のメーカから出ている小規模ミスティングシステムではこのポンプが主流となっています。
欠点はその構造上、駆動音がある程度大きくなることと、長時間駆動が不可能なことです。型番にもよりますが、基本的には一分間駆動させたら休ませなくてはならないので、タイマーには一分間刻みで設定可能なものが必要になります。
メーカや型番にもよるので、一概には言えませんが、例えば管理人の手元にあるポンプの能力は概ね、
最高圧力 1.5MPa
最大流量 650ml/min
となっています。少々圧力が高いように感じられるかもしれませんが、先にも書いたように、実際に駆動させたときにどれぐらいの圧力で水を吐出できるかは、ノズルや経路の径、ポンプの位置などにもよる為(低いところから高いところへ水を上げる揚水をポンプにさせれば、その分、ポンプの性能を使うことになります。逆に言えば、高い所に設置したり、ポンプに適した流量で水を流し込むようにすれば、ポンプの性能をフルに引き出せることになります)、普通に接続した場合、実際にはこれだけの数値は出ません。幾つかのパターンで調べてみましたが、ノズル一個で普通に設置した場合、平均で0.9-1.1MPa、瞬間的に1.2-1.4MPaになることがある、といったところです。
ノズル自体は、0.75MPhaぐらいの性能があれば噴霧はできますが(経験上。厳密に調べたのではなく、そのぐらいの圧力から、ノズルの噴霧が弱くなるというのは測定してみて感じたというだけです)、ポンプ自体の能力にはこうした諸々の要因が重なり合いますので、余力があまりないこのタイプのポンプでは、数値上は大丈夫かと思いきや、実際には使えないということが起こります。そのあたりを折り込んで、最大吐出圧力が1.5MPa(15気圧)のものが選択されているのでしょう。電磁ピストンポンプでありながら、もともとの最大圧力が0.75~0.9MPhaとなっている場合、実際にミスティングシステムに接続するとノズルのところでは0.4~0.6MPha程度しか出ないことが往々にしてあり、使用するのは少々厳しいかと思います(経験談)
ちなみに650 cc/min.(at p = 0bar)という流量、つまり何の圧力もない状況で一分間に650 ccを吐出する能力は、それがこの手の電磁ピストンポンプの場合、後半で紹介しているノズルだと、だいたい五個ぐらいまでは余裕を持って噴霧することが出来る程度のものになります。それ以上、八個や十個でも噴霧はしますが、流量が減り、弱々しい感じになってしまいます。ただし、これには経路がどれぐらいの長さか、というのも関わってくるので、そのあたりの総体で決まってきます。
もともと流量が少ないポンプですから、経路自体にそれほど余裕を持たせる必要はないでしょう。つまり、ノズルが5個程度であれば、ノズル先端の時点で4mm径のチューブでもよいかと思います。ただ、ポンプからノズルまで距離があるとき、ノズルの数が少し多いときは6mmで経路を延ばし、ノズル直前で4mmに変換するのがよいでしょう。
このポンプは、昔はエスプレッソマシン組み込み用としてパーツ販売しているところがあったのですが、昨今は色々あって見かけなくなりました。具体的に言えばPSE法というものの影響なのですが、ここでは関係ないので省略します。
オークションなどで出ているエスプレッソマシンから取り出すもよしですが、そういった行為から生ずるリスクについては、管理人は責任を持てませんのでご了承ください(まぁ、このサイトにどう影響されようと責任とらないよ!というのは、このサイト全体の基本的なスタンスではありますが)。
▽ダイヤフラムポンプ(高圧仕様)
電磁ピストンポンプがノズル五個程度までしか噴霧できないとしたら、もっとノズルを増やしたいときには、どうすればいい?
ポンプの数を増やす、というのも手です。ですが、もっと流量の多いポンプはないのか、と考えるのが自然でありましょう。ですが、構造上、電磁ピストンポンプではそんなに流量を増やせません。そもそも、電磁ピストンポンプは、大流量に対応することを目的とするように設計されていないようです。
そんな訳で、ミスティングシステムの世界では、ノズルが増えたら全く別の構造のポンプ――ダイヤフラムポンプの高圧仕様のものが利用されています。例えばE.N.T. Terrarientechnik(E.N.T. Power Pump, 24 Volts)や、MistKingで販売されているシステムはダイヤフラムポンプです。メーカーは色々のようですが(MistKingはSHURFLOかな、と思いますが、E.N.T.は何処のものを使っているのか実物を見たことがないので分かりません。Reptile RainはSEISUNという中国のメーカです(写真のものがそう)。いずれにせよ型番が分からないと意味のない話かもしれませんが)。
一口にダイヤフラムポンプといっても、小型船舶の水道用、自動販売機の給水用、大型冷蔵庫の冷媒循環用など、外観は似ていても用途に合わせて色々な仕様のものが存在します。例えば、小型船舶の水道用のものは購入は簡単ですが、流量重視の仕様であるため、最高圧力が低くミスティングシステムには向きません。
ミスティングシステム用に使われているダイヤフラムポンプの仕様は、概ね圧力が70-100psiであるか100-125psiのものであるようです。電磁ピストンポンプと異なり、負荷がかかっても圧力が低下しづらいようで、公称圧力が低めでもミスティングに使うことができます。流量は、製品にもよりますが、だいたい1200-1600cc/minぐらい、電磁ピストンポンプに比べて三倍弱ぐらいの流量が期待できます。また、製品によっては、かなり静かなものもあるようです。
流量があること、またこのポンプを使う時は、そもそも経路が長くノズルが多くなると思いますから、最低でも経路に使うチューブは6mmのものが望ましいでしょう。管理人は8mmで経路を作っています。
この項の最初に写真を出して紹介してあるSEISUNという中国メーカの製品が、かなりの騒音だったので(どれぐらいかというと、ガーデンスプレイヤーよりずっとうるさい)、高圧タイプのダイヤフラムポンプは全般的にダメなのかなと思っていましたが、これは単純にこの製品がダメだっただけで、ポンプを選べばちゃんとしたものがあるようです。
上にある二つは台湾のメーカのものですが、かなり静かで、電磁ピストンポンプよりもぐっと静かです。イメージとしてはマッサージチェアで振動を起こしている時のような、低い篭もった音を出します。静穏性を重視するならば、ダイヤフラムポンプが良いかもしれません。ただし、繰り返しますが、どのメーカのポンプを選ぶかが重要です。
こうしたダイヤフラムポンプの吐出口の仕様は様々です。ドイツなどの欧州で使われているミスティング用のポンプの多くはミリチューブのジョイントになっていますので、このページで紹介しているノズルや経路にそのまま接続できます。しかし、ミスティング用でもアメリカのもの、それから、国内で入手できる逆浸透膜浄水器用の加圧ポンプなどのうち、チューブがフィッティングで入るようになっているものは、これらがアメリカの仕様で作られているものが多いようで(台湾製が多いです)、インチ・チューブを使っているようです。つまり、このチューブフィッティングには、PISCOのミリチューブと互換性がありません。
一番困るのは、このチューブフィッティングが、本体と一体化している場合です。そういう製品も存在して、こうなると面倒です。ここではそういう製品はオススメしていませんが、海外から安かったので入れてみたらそんなのしか無かったとか、貰ったのがそういうのだった、とかそういう場合は、変換コネクタを使うとよいでしょう。チューブを接続するコネクタの中には、チューブ→ネジのストレートジョイントに変換するものがあり、このネジがG1/2規格になっているものが存在します(水道管に直結できるようにでしょう)。これを利用し、PISCOでR1/2ミリ用オスネジのチューブフィッティングを接続すれば、ミリチューブに変換することが出来ます。
普通は、ポンプの吐出口にメスネジが切られています。この規格はRc3/8(Rp3/8?)であることが多いようです。この規格は、PISCOに通常在庫がある製品なので、それを入手してしまえば、ミリチューブでシステムを組んでしまうなら、変換コネクタなどで変換するよりも、こちらがずっと簡単なのでオススメです。
ポンプによっては、NPT仕様のものがあるかもしれません。ただ、そうであったとしても、ストレートジョイントであれば、受注生産しています。ごく稀に、ポンプ側がオスネジの製品もあったりと、まだまだ様々な仕様のものがありますが、パーツを上手く組み合わせれば、だいたいの仕様のものはミリチューブのジョイントに接続して使えるようにはなると思います。
もちろん、別に変換しなくても使い用だとは思いますが、このサイトではミスティングノズルの組み立てにPISCO製のジョイントを使っていること、そもそも逆浸透膜浄水器用のチューブやジョイントは、個人的には品質が今ひとつという感があり、その割には価格もするということもあって、管理人は、変換して使うのを好んでいる、というだけの話ではありますが。
ダイヤフラムポンプの場合、気になるのは、少数で使った場合どうなるか?ということです。リリーフバルブを備えているわけではないので、数がやたら少ない、3個とかで使ってポンプに負荷をかけて、大丈夫なのか?というのは、ちょっと管理人には分かりかねるところですね…………一応このサイトでは、8個以上で使うのが無難じゃないかな、とか書いておこうと思います。……リリーフバルブを作ってしまうという手もありますが……あれは、パーツが高いんですよね……。
▽家庭用電動動力噴霧器
ダイヤフラムポンプであっても、かなり余裕があるとは思いますが、ノズルをミストではなく散水用や灌水用を使いたい、温室全体を管理するような大規模、大流量のミスティングシステム、あるいは灌水システムを作りたいとなると、さすがに力不足です。
ノズル数が50を超えたり、ミスティングではない散水ノズルを30以上使いたいといった場合は、家庭用電動動力噴霧器が向いています。
価格帯は、ダイヤフラムポンプに比べればほど同等か数千円高い程度であるのに、流量は公称2200cc/minであり(噴霧ではなく直射の場合、2700cc/min)と、倍以上が期待できます。つまり、ノズルを20以上、余裕を持って噴霧できるわけです。 また、先にも書きましたが、流量が多いので、このページで紹介しているノズルだけでなく、一般的に出回っている噴霧量の多い、霧吹きのノズルを複数使うことが可能というのも魅力のひとつでしょうか。リリーフバルブを備えている製品を選べば、少数のノズルであっても使用することができます。
最大の欠点は駆動音がうるさいこと。電磁ピストンポンプも静かとは言えませんが、それと同じかそれ以上に騒音を発します。構造的には、プランジャーポンプに位置付けられ、これを高速で回転するモータですごい勢いで動かすわけで、そりゃ音が出るのも無理はない、という代物ではあります。特に、ノズルの数が少ないとき、つまりはリリーフバルブからの戻りが多いときほど、ポンプに負荷が掛かり音が大きくなるので、ノズルの数が少ないとき(五個以下のとき)には、使えないというわけではないのですが、騒音対策を講じる必要があるかもしれません。 具体的には、エアチャンバを間にかませば、かなり静かになります。とはいえ、このポンプの長所はとにかくハイパワーであること、これに尽きるでしょう。これを必要とするならば選択する価値がありますが、騒音とかのほうが問題だ、という場合は、ダイヤフラムを複数台導入するほうがよいかと思います。
写真にあるオレンジ色のコンテナはポリプロピレン製の貯水槽で、一般的な同一サイズのコンテナよりも肉厚で丈夫に出来ているので、管理人はこれを貯水槽として仕様しています。この手の色つきコンテナには肉厚の分厚いものが幾つか製品として存在するので、貯水槽にするときは、このあたりを探してみるとよいかもしれません。
現行モデルでもこのような販売方式がされているかは分かりませんが、写真のGARDEN SPRAYERはDO-ITOなどのホームセンターのみで販売されている製品でした。ネット上では「霧女神」というシリーズ名でほぼ同一品が販売されていましたが、スプレー部分などの付属品が少々違うため、GARDEN SPRAYERのほうが、数千円ぐらい安くなっていたのです(具体的には2006年頃、19800円ぐらいだったかと。うろ覚えですが)。
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GARDEN SPRAYERを始めとするプランジャ式のポンプは、起動時は、ポンプの出すことの可能なもっとも低い圧力で起動させ、駆動が安定したら高圧に持っていく事が可能になるというポンプです。エンジンをイメージすると分かりやすいかもしれません。いずれにせよ、タイマーで管理する関係上、一番低い圧力で使用することになります。
GARDEN SPRAYERの起動時の圧力は、1.0MPhaですが、プランジャ式のポンプなので、圧力は一定にはなりません。開放口がどうなっているか(流量がどれぐらいか)にもよりますが、ミスティングシステムに接続されている状態では、0.7-0.9MPa、脈動が起こったとき1.3MPaに達することもある、という感じです。
Vivaria Projectsなどで取り扱っているオールプラスティックのチューブフィッティングでは、長期間(三年から五年以上)使用していると素材に疲労が出てくるのか、脈動発生時に接続部から水漏れが起こってしまうようです。この水漏れは、ULKA社のポンプでも起こることはありますが、やはりプランジャ式のポンプで起こりやすく、脈動対策をすると、漏れる事例が発生しにくくなるようでした。余談ですが、PISCOのチューブフィッティグでは同じ条件下でも漏れた例はありません。
ポンプの種類は以上です。用途に合わせて、好みのポンプを選べばよいでしょう。個人的には、静穏性、コストなどを考えると、ダイヤフラムポンプがオススメです。特にマンションなどでは、静穏性はかなり重要だと思いますので。
接続について
管用(くだよう)ねじには幾つかの規格があるそうです。当頁では、現JISのみで表記します。大別すると、
・管用平行ねじ
・管用テーパーねじ
の二つがあり、前者は水道管などに使われているもの、後者は機密性を要する管の接続に使われているものだそうですが、あまり深く考えなくてよいでしょう。
写真は、左から、G1/2A、R1/4、R1/8、という規格の雄ネジです。Rは雄ネジを意味し、雌ネジであればRc1/8という風になります。G1/2は、水道管のフレキ管接続や塩ビ管のネジにあるものなので一番見慣れているでしょう。こちらは、雄ネジの場合に最後にAかBを付けるルールであるようです。
管用平行ねじと管用テーパーねじは、乱暴に言ってしまえば、数字の部分が同じならば、組み合わせることが可能ではあります(シールテープは必要です)。
余談ですが、接続するジョイントの金属は同じものを使ったほうが良いかと思います。今回のような用途ではステンレスを進んで使用する理由はありませんから、黄銅のものを使うようにすれば良いでしょう。
黄銅と言いますが、大抵はメッキが施されています。例えば、左写真の雌ネジは銀色をしていますが、これはクロムメッキの黄銅管です。ホームセンタなどで取り扱っている水道回りの製品は、銀色をしていますが黄銅管のものが基本のようです(だから、錆びるときは銀色の上に緑青がうっすらと生じてくる)。
PISCOのジョイントはSUSのシリーズではない通常のチューブフィッティグは電解ニッケルメッキの黄銅です。とはいえ、黄銅だけにしたところで、水を通し続ける以上、自然腐蝕もありますので、二年から三年に一度は各部のチェックをしたほうが良いのかもしれません(とはいえ、色々なパーツを五年以上使用していますが、問題になったことは記憶の限りではありません)。
ずらりと並べてみました。ピントが合っていないのはご愛敬。
左端から、
G1/2、G1/2A、Rc1/4、R1/4、Rc1/8、R1/8、
の規格であり、品物としては、塩ビ雌ネジ13mm管パイプ、SUS(ステンレス)製ジョイント、黄銅製チーズ、黄銅製雄ネジジョイント、違径雌ネジジョイント(黄銅クロムメッキ)、PISCOのチューブフィッティングネジジョイント、という風になっています。
(別に、この写真にあるものがパーツとして必要になるという訳ではありません)
接続はネジなので、ただネジ込むだけですが、間にテープを挟みます。
写真だと後ろに移っている緑色のものがそれ。
シールテープと呼ばれるものです。水道関連の売り場では、黒いのに巻かれているかもしれません。エアコンプレッサのパーツとしても売られているものです。
いずれにせよ白い部分が重要です。ピントあってませんが、あまり気にしないでください。あとでピントのあった写真もどっかに出てくるでしょう。
このテープを、雄ネジにぐるぐると巻きます。
写真はちょっと先っぽのほうの包み込み具合が足りないようにも思えますが………ネジのねじ込み方向と同じ方向にぐるぐるテープを巻いて、最後はぐっと引っ張ると伸びてからみつきます。
この部分を挟むように(巻き込むように)して雌ネジをねじ込んでいけば、柔らかいので隙間にぎゅっと詰まり、シーリングになって、流体が漏れなくなる、というわけです。
当然ながら素手では無理なので、レンチを使って締めます。ただ、廻しすぎには注意です。
GARDEN SPRAYERでは、最小何個のノズルから噴霧することが出来るのか、というと、8mmのチューブを使って繋いだ場合、少なくとも二個であれば問題なく噴霧できます。ただ、リリーフバルブから相当な勢いで水が戻されることになるのと、やはりポンプ自体に負担をかけているのでしょう、もともと喧しい駆動音がさらに少々うるさくなります。
できれば、最低でも五個ぐらいのミストは同時にしたほうが良いのではないかな、という気がします。
PISCOのチューブ・フィッティングについて
PISCOというメーカーがあり、その製品に「チューブ・フィッティング」シリーズというものがあります。公式の通販サイトを通して、誰でも簡単に購入することができる製品で、ポリウレタンチューブやナイロンチューブをワンタッチで接続し、流体――空気や水――を流せるというもの。
この製品は、組み立て機械など、広範囲に活用されているものなのですが、ミスティング・システムを構築する上で、とても便利です。
早い話が、ポンプをこのチューブフィッティングに接続できるようにし、ミスト・ノズルもまた、チューブフィッティングに接続できるようにすれば、ポリウレタンのチューブを延長したり、分岐パーツを利用することで数を増減したり位置を変更したりすることが簡単に行えるようになるのです。
ミスティング・システムを構築するにあたって、まず最初に、ポリウレタンのチューブをどれぐらいの径にするか、を決める必要があります。
ULKA社のポンプやダイヤフラムを使ったミスティングシステムでは、送水管は6mm管で、ミストノズルのところで4mmに変換するものが多いようです。これは、長い距離を送水するのには径が太いほうが有利だからでしょう。ただ、ポンプからの距離がそれほど無く、またノズルの数が少ないならば、全経路が4mmでも使えないことはありません。
ただ、今回使用している電動噴霧器のような能力の大きなポンプの場合は別で、管理人は経路を数メートルとること、多くの水を流したいということで、8mm管を選択しました。
これは、ポンプの噴霧能力が公称2200cc/minであり(噴霧ではなく直射の場合、2700cc/min)、Vivaria Projectsなどで使用されるULKA社のポンプが650 cc/min.(at p = 0bar)であることを考えると、余裕で四倍以上の能力があると思われたからです。
ノズルについて
フレキシブルに色々な方向に向けられるノズルは、PISCOのチューブフィッティングのみでは作れません。そもそも、PISCOではノズルそのものが売られていないからです。別途、ノズルを入手する必要がありますが、国内では細かい霧を出すノズルを個人で購入することは難しいようです。農業用に求めると灌水用途のものは水滴が大きすぎ、食品加工用途のものはロットが多く個人向けではありません。
個人に入手しやすいということででしょう、海外のミスティング・システムでは、TEFENというメーカーのプラスティックのノズルが広く使用されています。ただ、此処はメーカー直販をやっていませんので、この商品を取り扱っているショップに頼ることになります。海外には幾つか、国内に発送してくれるショップがありますが、国内でもEVERGREENというショップから入手が可能です。TEFENのカタログ(PDFで公開されています)にもありますが、
・コニカル スプレーノズル (Conical Spray Nozzle 1/8"NPT)
・ノードレン コニカル スプレーノズル (NON DROP CONICAL SPRAY NOZZLES 1/8” NPT)
の二つが、ミスティング・システムにオススメのノズルです。
ただ、このノズル、海外向け製品だけあって、六角がインチサイズです。つまり、mm規格のレンチですと上手く固定できません。モンキーレンチ
があると便利かと思います。ペンチでは、簡単に傷がついてしまいますので。
ここで問題なのは、このノズルはアメリカのネジ規格、1/8"NPTというものであるということです。アメリカ標準管用ねじ規格であるNPTは、当然ながらJIS規格のねじには合いません。
国内でも1/8"NPTのタップを購入することが可能です。とはいえ、自分でネジを切るのは、趣味で好きな人ならばともかく、そういう工作が好きでもなんでもない人には現実的ではないでしょう。
どうしたものか、と悩みたくなるところですが、なんと、PISCOでは受注生産ではありますが、1/8"NPTのネジを切った製品を生産してくれるのです。
「チューブフィッティング」シリーズの「メスストレート」のうち、チューブ外径4mmに接続するフィッティングである場合、製品番号は「PCF4-N1U」になります。
メールで問い合わせするか、コメント欄に希望する旨を書き込めば、受注が可能であるならば購入できるでしょう(いつまでも可能なものなのかは管理人は知りません)。
写真左二つは管理人が数年前にホームセンタで購入したもの。右二つは通販で購入したもので、「セフティ3 ジェット噴口
TEFEN以外のノズル、つまりは国内で販売されているノズルも、もちろん使うことは可能です。TEFENのノズルは微細な噴霧(管理人もお気に入り、飼育者の間で評価の高いフルプラの霧吹きの霧より、さらに細かいぐらい)ですが、カメレオンやヤモリなど、もうちょっと粒の大きな散水をしたい場合、ケースごとに調整したい場合などは、一般的な霧吹きの交換用ノズルセットを、PISCOのジョイントに接続して使用することになります。
ここで注意すべきは、ポンプの性能、とくに流量に余力がないと、これらの散水ノズルは使えないということです。電磁ピストンポンプでは力不足で、ダイヤフラムポンプでもそんなに数を維持できません。ガーデンスプレイヤーなら、ノズルの仕様や経路の長さにもよりますが、おそらく30個ぐらいまでは行けるでしょう。
これは、手前に多く水が出る場所があるとき、経路の先端まで、圧力が十分に行き渡るか、という問題です。ポンプに余力があれば、経路全体の圧力は均一となり、ノズルすべてから均一に噴霧されます。しかし、パワー不足ならば、ポンプに近い側はより多く、遠ければ遠いほど圧力が不足して噴霧量が少なくなるのは自明です。多く流量を要するノズルを使うときは、ポンプとの組み合わせを意識すること、また、ノズル直前までは、流量を確保しやすいよう、チューブの太さに余裕を持たせ、8mmのチューブを使うのが望ましいと思います。
+■フレキシブル・ノズル(TEFENのノズルを使う場合)
ノズルはフレキシブルに方向を変更できるよう、幾つかのパーツを組み合わせて作るのが主流です。ノズル周りは、径を太くする必要がなく、むしろコスト増に繋がりますから、「チューブフィッティング」シリーズのチューブ外径4mmのもので揃えます。
1.「PLJ ソケットエルボ」のPLJ4×2個
2.「チューブフィッティング・ミニ」シリーズから、「PM隔壁ユニオン」のPM4M(「チューブフィッティング」シリーズの隔壁ユニオンは、径が太いので注意。自分で穴をあけるなら良いが、既に10mmの穴があいていて、そこに使いたい、という場合はミニのほうでないと通らない)
3.「PIJ ニップル」のPIJ4もしくはポリウレタンチューブの4mm(出来れば「インサートリング」を入れたいところです)を適切な長さにカットしたもの
4.「PCF4-N1U」 1/8"NPT規格にネジが切られた「メスストレート」
5.コニカル スプレーノズル (Conical Spray Nozzle 1/8"NPT)もしくは、ノードレン コニカル スプレーノズル (NON DROP CONICAL SPRAY NOZZLES 1/8” NPT)
写真はニップルで組み立てたもの。雌ネジであるメスストレートに対し、プラスティックノズルは長すぎるので、間にプラスティックのリングを咬ましています。これは、実質見映えをよくする意味しかありません。なんだったら、ノズルの後ろをカットしてしまうという手もあるでしょう。カッタで簡単にカットできます。
ちなみに、PCF4-N1Uの六角は14mmなので、14mmのレンチを用意してください。モンキーレンチ を二本という手もなくはないですが、距離が近いと、ちょっと面倒なのではないかな、という気がします。
メスストレートの奥にOリングを入れておくか、ノズルにシールテープを巻くことでシーリングをします。Oリングを入れる場合は、シールテープは必要ありません。
個人的には、Oリングを入れるほうが楽なので好きですが、いちいちそんなパーツを買うのが面倒だというのも事実。どっちがよいかは難しいところです。咬ますリングの厚さは、Oリングにプラスティックのノズルがネジの奥のほうで当たって挟まったぐらいで止まるような分厚さのもの。使用するOリングの種類によって変わってくると思いますが、OリングにP5を使用したとき、かますプラスティックのリングの厚さは3-4mmといったところでしょうか。
こちらはノズルの部分とエルボの接続に、4mmポリウレタンチューブを短めにカットし、一本だけインサートリングを入れたものをメスストレートとエルボの接続に使ったもの。
長さを調節してあるので、エルボとメスストレートが一体になったかのようになり、見映えのバランスは良いかも知れません。
間に咬ませるプラスティックのリングは、ABS樹脂で18mmの外径のもの。ノズルを持ってホームセンターで使えそうなものを探していたら、丁度よい内径のものがあったのです。ぴったりではなく、少し隙間がありますが、締めるので関係はないでしょう。
写真はパイプカッタ
で切断していますが、ノコギリでの切断で問題はありません。切断面はカッタで仕上げても良いでしょう。黒い色なのは、蛍光灯の紫外線を浴びる関係で、長期間の使用ならば黒のほうが良いかな、と思っただけで、白でも黄色でも赤でも何色でも問題はないかと思います。
ただまぁ、そうですね、この工程で使うかどうかは別にしても、排水系を作るときに、パイプカッタがあると、とても便利ではかどりますのでオススメです。塩ビ切断用ぐらいのものならば、そんなに高いものでもないですしね。
フレキシブルノズルを組み立てる場合のパーツ一覧。PIJ ニップルで接続する場合は、写真にあるインサートリングは必要ない。実のところ、インサートリングなしのポリウレタンチューブで接続しても、問題はあまり起こらない。管理人が経験したところでは、せいぜいが、長く使っているとそこから水漏れが起こることがある、程度。ただ電磁ピストンポンプでもそうなので、圧力が高めで出るプランジャーポンプでは不安があるといえばあるし、真鍮製のノズルの場合はTEFENのノズルに比べて重量で不利なので、ニップルかインサートリングを入れたほうがよいように思う(余談だが、インサートリングより、ニップルのほうが簡単に見栄えよく作れる。どっちかは、まぁ好みか)
■フレキシブル・ノズル(セフティ3 ジェット噴口/セフティ3 ジェット噴口 1.2L-半自動4L
ノズルを使う場合)
セフティ3 ジェット噴口 1.2L-半自動4Lをノズルとして使うフレキシブルジョイント。基本的にはTEFENのノズルの場合と変わらないが、ノズルのネジがPF1/8のメスネジなので、チューブフィッティングに接続する雄ネジを用意するところが異なる。Oリングで接続も出来るようだが、シールテープを巻いてでR1/8のストレートに接続するのでも問題はない。
セフティ3のノズルは、安いところでは4-500円前後。楽天市場など、幾つかのショップで購入可能である。セフティに限らず、この手の国内販売されているノズルセットは概ね真鍮製のニッケルメッキで、キャップを緩めることで噴霧角度や量を調節できる。余談だが、真鍮製なので薬剤による殺菌消毒をする際には、ハイターやビルコンではなく、オスバンなどを使用する。これはチューブフィッティングも同様。
セフティ3 ジェット噴口 1.2L-半自動4Lを選択したのは、六角レンチが使えること、フレキシブルジョイントにするということは、4mmチューブに繋ぐことであるからRc1/8のほうが重量でも有利になるので、一番理に適っていると思われるから。ノズル部分の仕様は他の製品と全く同じである。これら家庭用噴霧器に使われるノズルは、TEFENのノズルに比べて、噴霧の粒子は粗い。あちらが「霧・ミスト」であるのに対して、こちら雨粒に近い。よってビバリウムの中にもうもうと霧が立ちこめるようにはならないが、雨期の再現やヤモリやトカゲには向いている。
さて、「チューブフィッティング」シリーズのチューブ外径4mmのもので揃えると、
1.「PLJ ソケットエルボ」のPLJ4×2個
2.「チューブフィッティング・ミニ」シリーズから、「PM隔壁ユニオン」のPM4M(「チューブフィッティング」シリーズの隔壁ユニオンは、径が太いので注意。自分で穴をあけるなら良いが、既に10mmの穴があいていて、そこに使いたい、という場合はミニのほうでないと通らない。ネジを切れば通るが、ガラスの場合ネジが切れない)
3.「PIJ ニップル」のPIJ4もしくはポリウレタンチューブの4mm(出来れば「インサートリング」を入れたい)を適切な長さにカットしたもの
4.「PC4-01」 R1/8規格にネジが切られた「ストレート」
5.「セフティ3 ジェット噴口 1.2L-半自動4L」のノズル
Oリングでノズルとストレートを接続する場合はOリングを用意する。
組み立てたところ。真鍮がなかなか見栄えする。
エルボのストレートパイプの余剰部分をカットすれば、もうちょっと小さくできる。ただ、下手にカットすると断面を潰してしまいかねない。この加工は、なかなか難しい。鋭いカッターならよいが、ニッパ程度では力不足。むしろ、目の細かいノコギリでカットして、断面をカッターで整形するほうがよいかもしれない。余談だが、昔のノズルセットでは、このへんが適当にカットしてあることがままあった。まぁ、それで問題もないのだけれど。最近は、どうなっているのかな。
自動給水貯水槽
貯水タンクは、何を使ってもよいですが、定期的にチェックすることを前提に、光を通さない樹脂製のものがよいと思います。ガラスや透明アクリルの場合、光が差すことで、どうしても中に藍藻などが繁殖してしまうことがあるからです。これらは、ポンプの故障や、ノズルの目詰まりの原因になりますので、長期運用する上では対応策を考えておく必要があります。
今回は、 電動ドリルにホールソウを取り付け穴をあけます。
自由錐でも良いですが、あれは少々高価なのと、周囲に隆起があるような場所では使えないのが欠点ですね(写真のような場所では難しい気がします)。
こういった道具がない場合は、ハンダごてとヤスリ、ノガバーなどで対処するという手もあります。
吸水口と取水口の二つをあけたところ。
今回は同じぐらいの大きさになってますが、ダイヤフラムポンプや電磁ピストンポンプの場合は、もっと小さい穴のほうがよいです。
片方にはトイレの貯水タンクに使われるボールタップを入れます。少し斜めにして使用していますが、いまのところ問題はないようです。でも、本当はちゃんと縦にしたほうがよいのかもしれませんね。
縦にしていないのはタンクの水位を高くしたかったからですが、給水速度が十分であれば意識する必要はないでしょう。
使用状況によって変化するでしょうが、何分間でどれぐらいの水を消費するのかはチェックしておく必要があります。なぜなら、冬は、冷たい水道水が供給されることになるので、貯水量が足りないと、冷水をミストすることになるからです。水位が下がった分だけ給水される関係上、ヒータを入れておいてもこれは防ぎようがありません。 冬のミストは短時間である変わりに頻度を高くするとよいでしょう。温水が供給できればそれに越したことはありませんが。
塩ビパイプを組み合わせます。塩ビパイプ自体は場所によっては接着したり、しなかったりしています。
写真では外部に出ている部分は接着していますが、内部はネジをしめて固定させているだけなので接着剤は使っていません。ゴム製のパッキンがありますしね。 回転させて締める関係上、その先に接続してタンクの底まで伸ばす塩ビパイプも接着はしていないことになります。
外観。
右側からポンプへ水が流れます。ホースで接続し、またポンプを下に設置する関係上、こうした構造になっていますが、ポンプを横に置くならば真横に向くことになるでしょう。
水道管を分岐してフレキ管でいきなりボールタップに繋ぐのもよいですが、ここはやはり浄水器は入れておきたいところです。
管理人が使用したのはMarfiedのコットン&カーボンの浄水器。なんでかといえばそれがもともと家にあって、他で使用していたからです。
写真の下三つが取り外したもの(普通に使用しただけでも、ここまで摩耗するものなんですね)、上三つは交換用のジョイント。G1/2の雄ネジです。何を勘違いしたのかステンレス製のものを使っていますが、正直ステンレス製のものを使う意味はないので、普通に黄銅製(クロムメッキ)あたりでよいでしょう。ホームセンターの水道関係のコーナーに普通に置いてあります。
分解状態。両端はレンチを使用、中央は本体を回転させるだけで簡単に分解できます。同じ構造のものが繋がっただけのものなわけですね。
ジョイントで繋いだところ。中にフィルタも入れてあります。上から付属の金属板をネジで固定すれば終了です。一応、INとOUTがあるので接続を間違えると意味がないですが、表記があるので間違うことはないでしょう。
端はホースではなくフレキ管で接続するので、ジョイントに変更。G1/2の規格はフレキ管の太さであり(またボールタップについているネジもG1/2です)、Marfiedのジョイントも、これと同じというわけです。もし違ったものであれば、違径ジョイントを使えばよいだけですが。
あとは、水道管を分岐させ、浄水器を通してタンクに接続すれば完了です。
余談ですが、貯水タンクには、ボールタップが万が一壊れたときにオーバーフローの排水口を用意しておくことをオススメします。過去に経験はないのですが、管理人は人生において一度でも部屋が水浸しになった(階下の人に怒られまくった)、という状況を経験したくないです………
フレキ管による接続の図。シールテープを分厚くまきつつ、レンチで固定していきます。手元にあったフレキ管を流用したので、長さが用途に対してぴったりではないのはご愛敬。
フレキ管は案外硬く、一度曲げるとまがり癖がつくので、名前ほどフレキシブルだという感じはしませんが、簡単に曲げられるのは事実ではあります。
中央はリリーフバルブから出てくる水をタンクに戻すものです。ノズルの数にもよりますが、十個や十数個ぐらいではリリーフバルブへの戻りが相応にあるので、タンクに戻すようにしたいところです。
写真では何やらごちゃごちゃ塩ビ管でやっていますが、プラスティックのジョイントも市販されているので、ケースに穴を空けてそれを打ち込み、チューブを繋いでしまうのが一番手軽かと思います。(ごちゃごちゃとやったのは、たくさん水が戻されたとき、中で水がはねたりしないように、と考えてのことです。別に、写真のようにしなくても問題なかったかなぁという気がしなくもないような……)
この部分には、別にそんな水圧は掛からないので、けっこう適当でも問題はないような気がします。
タンク内部。給水はケースの底から。
やや澱むのでエアレーションしても良いのですが、使用してみたところそれなりに水量を消費するので、必要ないかな、という印象でした。判断は難しいところですね。
このケースは蓋をすると、それだけでかなりぴったりと閉まるのですが、気になるならばシリコンで接着してしまってもよいでしょう。
コンテナはポリプロピレン製なので、剥がしたいときには簡単に剥せます。つまり簡易シーリングのようなことが出来るわけです。
ポンプとの接続
▽ダイヤフラムポンプHF-8367との接続
OSMO用加圧ポンプなどとして販売されているHF-8367の接続について。クロノスレイン向けとして販売されているAQUA GEEKのポンプも、管理人が調べた時点ではネジ山の仕様は同一でした。
つまり、ポンプ本体部分のネジはRc3/8となっているので、それほど悩まずにチューブフィッティングを注文できます。ストレートでも良いですが、エルボのほうが、何かと取り回しや設置に好都合かと思います。
チューブサイズは好みのもので。管理人の場合は8mmですが、20個ぐらいまでのノズルなら、6mmで作るのもよいでしょう。このあたりはお気に召すまま気の向くままで良いでしょうが、取り敢えず、管理人がチェックしているのは8mmまで、ということで。
R3/8のパーツは、17mm六角ナットになっているので、17mmレンチが必要です。
▽ダイヤフラムポンプmistking:Large Capacity Diaphragm misting pumpとの接続
mistkingのダイヤフラムポンプには幾つかのシリーズがありますが、そのうち、Large Capacity Diaphragm misting pumpとして販売されているポンプについて。各ページでは、チューブフィッティングについて"3/8と"1/4のように選択する項目がありますが、これはチューブ径であり、ネジ山ではありません。尚、110V仕様と230V仕様の二つがありますが、ポンプ本体は24V駆動であり、この部分はACアダプタの選択を意味します。よって、日本で24Vを出せるACアダプタを用意すればいいのですが、110V仕様のものを購入すれば、対応電圧には幅があるものが同梱されてくるので、それをそのまま使っても良いでしょう。
ポンプ本体部分のネジはRc3/8のミリネジとなっています。つまりは、OSMO用加圧ポンプHF-8367などと同様であり、PISCOの常時在庫品にありますから、それをそのまま注文すれば使えます。シールテープは巻いたほうがよでしょう。ストレートでもエルボでも、お好きなほうで。
ただ、さすがにパワフルである――というか、このポンプともなればそれなりの規模で使うのでしょうから、チューブサイズは、8mmあたりがよさそうな気がします。まぁ、6mmでも(仕様を見る限り)問題ないようですが、管理人は8mmでしかチェックしていません。
R3/8のパーツは、17mm六角ナットになっているので、17mmレンチが必要です。もともとポンプについているパーツはインチのナットなので、ミリレンチではフィットしませんが、モンキィレンチか、捨ててしまうならば、ペンチなどでも外せるでしょう。そんなに固くは締まっていません。
▽電動噴霧器GARDEN SPRAYERとの接続
工進のGARDEN SPRAYERは、現在ではマイナーチェンジをしたようですが、吸水口、出水口、中央下にあるリリーフバルブから出てくる余水の出水口の位置などは変わっていないだろうと思います(そも、変わっていたからって別に困らないですが)。
バルブの位置が移動したようですが、このバルブは利用しないので無視してよいでしょう。始動時の圧力、つまりこのポンプの最低圧力が、1.0MPhaになるからです。
余談ですが、管理人の居住場所は電力周波数が50hzの地域です。そしてこのポンプは、電源コードからそのままモータに接続される回路であるため(だからこそ電源コードの間にタイマーを入れればそれで制御できる)、60hzではパワーが増すでしょう。ただ、多少増したところで、ULKA社のそれよりは低圧なので、問題はないとは思いますが。
まずは吸水口。規格はG1/2A。塩ビパイプのネジつきのものを接続し、さらにホースに繋げられるようにします。ここには圧力が掛からないので、フレキ管などである必要性がないからです。
ここの部分は、付属のホースがあり、そちらを利用すれば省略可能ではあります(管理人は付属のチューブが古くなったので、捨ててしまったのです)。
写真ではエルボにしていますが、これはあまり意味がなかったような気がしなくもないような………。
出水口のネジ規格はR1/4です。此処にチューブフィッティングを接続すればよいので、「チューブフィッティング」シリーズの「メスストレート」から、チューブ外径を6mmにするなら「PCF6-02」を、、チューブ外径を8mmにするなら「PCF8-02」を、選べばよいことになります。
写真は、違径ジョイントというものを使って、ストレートジョイントを接続していますが、これは手元にそれが余っていたからで、わざわざこれをやる必要性はありません。
余談ですが、プロフレックスなどから購入できる「ねじこみ・溶接用継手・スイベル」あたりのパーツも、黄銅製でも耐圧7.0MPaですから利用可能です。「黄銅製ねじこみ継手 > チーズ 」を利用すると、ポンプ手前での分岐を簡単にすることが出来ます。チーズ(三方Rcメネジ) をポンプに繋ぎ、Rc1/4規格のストレートジョイントをねじ込めば良いわけです。この時点で、チューブが6mm管のものと8mm管のものをそれぞれ繋ぐということも出来るでしょう(意味があるかは別にして)。いずれにせよ、対応製品は幾つもあるので、好みで組み合わせればよいかと思います。
ネジを刻んでみよう
タップ&ダイス21picセット
別にミストじゃなくて、もうちょっと粒状の水が出るノズルが使いたい、という場合もあるでしょう。
国内では、あまりノズル単体が安価な価格で売られているということはないのですが、例えば壊れた霧吹き。ノズルは大丈夫だけど、ポンプや、加圧するタンクの部分がダメになってしまった………ノズルなにかに使えないかなぁ、とか、そういうこともあるかもしれません。では、ないならば、そういうものを作ってみるといたしましょう。身の回りにある、いろいろなものにネジを刻んで、ミスティングシステムに接続してみる――そんな実験コーナーがここです。
作ると言っても、金属やプラスティックの塊からパーツを削り出すとかそういうことをするわけではありません。既製品を組み合わせたり、ちょっとした改造を施して、最終的にPISCOのチューブフィッティングに接続できるようにすること――メイクではなく、コラージュのような作業です。
最低限必要なものは、Rc 1/8 PTのタップ。PISCOの4mmに繋ぐチューブフィッティングのストレート、或いはエルボを繋ぐにあたって、一番安価なのがこの規格になります。それから、TEFENのネジを刻みたいときは、アメリカ管用ねじつまり1/8NTPのタップが必要になります。HSSタップ 1/8-27 NPT
あたりが安価でしょうか。余談ですが、1/8PT(Rc1/8)の下穴用ドリル径は8.2mm、1/8NTPの下穴はリーマを使用しない場合8.4mmです。より精確な数値は規格表を探してみてください。
余談ですが、ミスティングシステムに限らず、ビバリウム制作にはタップ&ダイスがあると何かと便利だと思います。いずれにせよ、タップハンドル(タップレンチ)を購入しなくてはなりませんし、安価なだけにハンドルのクオリティは良くはないですが、ないよりはあったほうが便利なのは確かなので、気が向いたら、セットで購入してみるのもアリでしょう。ちなみに、管理人の家には、大中小とセットに入っていたのを含めて、タップハンドル(タップレンチ)が四本ぐらいあります。
(以下執筆中)
振動によるノズルの破断について
写真はコニカル スプレーノズル (Conical Spray Nozzle 1/8"NPT)を真鍮製のPISCO「PCF4-N1U」( 1/8"NPT規格にネジが切られた「メスストレート」)に接続したものです。
通常、メスストレートのねじの深さが、ノズルのそれに比べて少ない為、4mm程度の隙間が生じます。これを調整する意味もあって、通常、写真に写っている白いリング、若しくは上で紹介しているような自作の樹脂製リングを咬ませます。これは見映えを良くするという意味もありますが、メスストレートにOリングを咬ませてシーリングをしている場合、Oリングを破損させないレベルでの締め付けに上手く調節させる機能という意味合いもあります。
ただ、シールテープでシーリングをする場合は、このリングは見映え以上の意味はないと言えるでしょう。
このリングは通常、ノズルの径に対して余裕があるため、この隙間をシールテープなどで埋めておかないと、ミスティング作動時の振動で、ノズルの根本に負担を掛けることになります。
これは、リングの片方が接触しているのが金属製であるため、摩擦が弱く、強く締めても固定されるには至らないからだと推察されます。おおよそ、一年程度で疲労により破断するようです。
ただし、単体でノズルに接続している場合は、振動が弱いのか、一年二年程度では破断しません。写真のようにT字エルボを使って固定している場合に、一年程度で破断しました。このような接続は一般的なものですし、五年や六年使っても破断しないものでなければ実用品とは言えませんから、これは構造的に欠陥だったと言えるでしょう。
ただし、破断までの期間は、どのようなポンプを使用しているか、どれぐらい振動を与えるものであるかということも関係してくると思われます。今回は電動噴霧器だったので、かなり振動が強かったです。
対策は、そもそも意味のあるものではないので、リングを付けない、ゴムワッシャーを咬ますといったところでしょうか。見映えと機能を重視するなら、ノズルのネジを適切な長さに切断してしまうのが良いかという気がします。ただ、振動がそもそも少ないダイヤフラムポンプでは、このあたりの事は心配しなくてよいように思いますし、電磁ピストンポンプでもこうした問題が起こったことはないので、気にする必要はないかもしれません(試しに耐久実験してみたのですが、そうでした)。
自作ノズルにはこういった事も起こることもあるかも、という小話です。
タイマーについて
ミスティング・システムを作るからには、タイマーによる制御というのはワンセットでしょう。休んでいても病気になったりしても、いつでもミスティングをしてくれる、という安心感は素晴らしいものです。
タイマーですが、管理人の一押しは、REVEXというメーカーのデジタルプログラムタイマーIIというものです。色は二種類あって、ホワイトPT50DW とグレーPT50DG
があります。メーカー直販サイトもあるので、そちらでも購入可能です。まぁ、安く買えるところで買えばよいでしょう。
ミスティング・システムに使うタイマーは、よくあるタイマーでは設定が大雑把すぎて役に立ちません。よくあるタイマーというのは、照明制御用の、五~十五分刻みのものとかです。飼育用品では、熱帯魚蛍光灯用タイマーがメジャですが、これらも良くて一分単位の設定でしかありません。
しかし、ミスティングは日に何回か、例えば、朝、昼、夕方、夜の四回ぐらい動かしたい、という要望が出てくるはずです。これを叶える製品としては、NISSOのウィークリータイマーというものがありました。しかし、これも一分間刻みでしかプログラムできませんでした。
しかし、リーベックスのタイマーは、一秒単位で週間14プログラム(ON-OFFワンセットで1プログラム)の設定が可能となっており、ミスティング・システム・ユーザー待望の品ではないかと思います。また、こうした電子式のタイマでは、メモリ用にボタン電池が必要なものが一般的だったのですが、リーベックスのタイマーは、メモリにボタン電池を使用せず、内蔵する充電電池で時刻やセッティングをメモリしてくれるのも魅力です。2011年現在、管理人はタイマー関連ではこれが一押しかな、と思っています。
余談ですが、リーベックスのデジタルプログラムタイマーIIのパッケージ裏には、使用できる電気器機の注意書きがあり、そこには、「モーター使用器具
400W以下 ……扇風機、換気扇、ポンプなど」とあります。ヒーター使用器具では、1500W以下まで使用できるのに、なぜモータの場合は400W以下なのかは、始動電流というものが関わってくるからなのですが、正確な解説をすると長くなるのとたいへんなので省略いたします。いずれにせよ、この数値を上回らないように注意することは大切です。
ポンプに目をやってみますと、工進のガーデンスプレイヤーで出力は250Wであり、一個であれば余裕で制御してくれるということになります。ULKAなどのエスプレッソマシンに入っているポンプは、製品にもよるので一概には言えませんが、例えば管理人の手元にあるものでは、52Wなどと表記してありますから、三個か四個ぐらいの使用ならば問題はないでしょう。いずれにせよ、使用するポンプの仕様をよく見て、無理のない範囲で使用してください。
終わりに
あとは、チューブフィッティングで接続して終了です。
メインは8mmのポリウレタンチューブですから、ノズルのユニオンの前で4mmに変換しなくてはいけません。管理人は違径ユニオンティーの8-4のものを使用して、いちいちユニオンの真上で変換するスタイルを好んでとっていますが(このほうが長い距離を運ぶ際に有利であり、ポンプに負担を掛けないからです)、このあたりは好みでしょう。各ケースの処で4mmに変換し、ケース周辺の数個は4mmで繋ぐ、というのもありかと思います。このあたりは、ポンプに何を使うかも関係してくると思いますけれど………。
いずれにせよ、そのあたりを含め、何もかも、お気に召すまま気の向くまま自由自在に。それでは、よいミスティング・ライフを!