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Pet's food picture book/跳虫/トビムシ


  アヤトビムシ 

 シロトビムシ
 トビムシは土壌生物の一つで世界中に分布しており、世界各地の熱帯雨林、雲霧林、洞窟などの、土壌がある場所ならば何処ででも他種多様なトビムシが見られます。
 ヤドクガエルの自然下での主食はアリやトビムシ類であり、これらの生物は熱帯雨林の面積あたりの生体質量の大半を占めることでも有名です。
 森や林へ行けば、日本でも此らの仲間を見つけることは難しくはありません。然し、飼育が可能で、加えて餌昆虫としての有用性――すなわち大量繁殖が可能であるという性質――を持つトビムシはそう多くはなく、現時点で二種類が見出されているに過ぎません。
 数多くいるトビムシの中から、こうした大量繁殖可能な種を見出す先達の努力と熱意、加えて言うならば執念には脱帽するしかありません……

 シロトビムシとアヤトビムシがいましたが、現時点ではアヤトビムシは殆ど使われていない様で、シロトビムシしか流通していないようです。
 アヤトビムシの最大サイズはピンヘッドコオロギが居ればよいから、小さいエサとして意味はシロトビムシの方に軍配が上がる!ということなのでしょうか……

 ヤドクガエル小型種を始め、両生類には極めて小さな大きさで上陸する種が少なくありません。海外の種を挙げる迄もなく、ヒキガエルやアカガカエル、モリアオガエルなどはかなりの小ささで上陸します。中にはオタマジャクシ時の餌のコントロールで大きく上陸させる事が可能な場合もありますが、毎回毎回がそうとは限りません。ヨーロッパイエコオロギのピンヘッドを食することが出来ないサイズの個体には、トビムシの類は極めて有用であり、其の為だけにでも通年維持する価値のある餌昆虫だと言えます。

 餌昆虫という観点から観たトビムシの長所は、その維持が、方法論さえ身に付けて居れば極めて容易である処にあります。片手間に維持していても、何ら負担になることはないでしょう。

 種親はSPHERO AQUA等から手に入れましょう。リンク先にも繁殖方法が書いてありますが、以下に一応僕が実際にやっている方法も書いておきます。

 彼らは滑らかな(つるつるした)壁面を登ることは出来ませんので、脱走の可能性という観点でのみ考えるならば、密閉容器で飼育する必要性はありません。然し、ダニが進入し易い環境で、幾つかの条件が重なると、ダニの方が爆発的に繁殖してしまい、トビムシを駆逐してしまいます。此に如何に対抗するか、が焦点となります。

 ダニは地球上で生存する以上、決して逃れることは出来ません。ミジンコを含め、彼らのような極小生物の生存力は極めて強く、北極圏や南極圏ですら漂っていると言います。完全に防ぐことは出来ませんが、幾つかの要点を押さえることで、その問題をほぼ無効とすることは可能です。

 密閉容器で飼育繁殖を行う方法は、一番手軽であると同時に堅実な手法です。
 密閉容器は各種ありますが、個人的には大きめのものを用いることをお薦めします。トビムシは一定数に達すると維持、繁殖がぐっと楽になるのですが、少数で維持していると一寸した切っ掛けで容易に全滅してしまいます(僕が下手なだけかもしれませんが………)。僕は小型容器(一番小さいプラケースぐらいのタッパーウェア)二十個程で維持してみた事がありますが、数ヶ月維持したものの、結局全滅させてしまいました。

 お薦めなのは、漬け物用に販売されている、大きいタッパーウェアです。10リットル〜20リットルほどの、大変大きなものが販売されていることに感謝しつつ、最低でも二つ、出来れば四つほど用意します。

一家に一個糠漬けたっぱー(我が家には沢山あるけど)

 中にはピートモスを入れます。北海道産長毛種とされるもので、園芸店などに行けば販売されています。アピストの産卵床としても売られていますが、アレは単価が高いのでトビムシ飼育には使えません。
 自然物ですので、ピートモスは必ず熱湯消毒を行います。此をしないと、密閉空間では全体が黴びることが有りますので、絶対必要です。その後水気を絞る訳ですが、この絞る時の手は予め洗っておき、清潔な状態で作業を行うことをお薦めします。
 全体を熱湯に浸かるように割り箸などで突いたり混ぜたりしつつ、十分ぐらいしたら水を注ぎ冷やして、絞るのですが、水が間にしっかり浸透してないと全然冷めて無くてかなり熱く火傷しかねませんので、注意して下さい。ピートは力をぐっと入れて絞り、水が出なくなるまで絞る、半歩手前までにします。水気が多すぎると飼育には向かないので、この辺の適度さが重要です。密閉容器で飼育するため、殆ど水は蒸発しないことになりますから、ほんのり湿っている程度でよいものですよ。ああ、そうそう、無論タッパーも洗浄して使って下さいね?

 飼育温度は24℃程度です。僕は22℃〜24℃を維持しています。上が26℃以上、下は21℃以下にならない方がよいでしょう。特に高温にしてしまった場合、あっさり全滅する様です。注意すべきは直射日光で、室温は24℃だったけど、窓際に置いていたケースにカーテンの隙間から入った夏日が差し込み、温室効果で中身が全滅、なんて事がありました<こういうのを不注意と言います

 タッパーに入れるトビムシの数は、最初は少ないので、まずはそれを大量に増やすところから始めます。場合によっては一ヶ月二ヶ月掛かる作業ですが、一定の水準に達すれば楽なので頑張って下さい。
 此の時期に注意すべきは、トビムシが殖えるに連れて餌の量を増やさなければならないが、多すぎるとカビが生えてしまう、という点です。カビが生えると不衛生ですし、密閉容器で飼育する為ケース内が酸欠になりトビムシが全滅する危険すらあります。この辺は各自感覚を養って貰うしかないです。最初は毎日やって餌が翌日には確実に無くなる、という程よい分量を心がけ、焦らないで頑張って殖やしましょう。
 目に見えてトビムシが殖えたと思ったら(餌をばら撒いて十五分ほどして蓋を開けると、びっしり集まっている感じでしょうか?)、それらを分け、ケースを二つ、三つと増やして行きます。トビムシは温度設定やダニの進入で、全滅するときは簡単に全滅してしまうので、その対策として、四つ〜五つは欲しいところです。

 ピートは半永久的に使える訳ではありません。長くても三ヶ月程度に一回は洗浄した方がよいでしょう。交換の頻度は、餌によっても変わる気がします。ドライイーストだけで飼育している場合は汚れが少なく、フレークフードを用いている場合は早く悪くなります。但し、後者は多く殖える傾向があるので、餌としてどんどん使っていく分にはよいでしょう。
 トビムシはピートが汚れると殖えなくなってしまいます。なによりダニが発生し易くなる気がしますから、何れにしろ定期的な交換は必須となります。この辺は、各自サイクルを頭と体で覚えて行くのがベストです。

 移動する時は、新しい場所を用意し、そちらにトビムシだけを移動するようにします。古いピートは新しい方には入れないようにしましょう(その周辺からカビることがあります)。トビムシが中に沢山いるので勿体ないなぁと思う人は、金網で出来た入れ物の中にピートを入れ、上から電気スタンドを当てましょう。下にタッパーを置いて措くと、ぱらぱらと落ちてきているので、それを餌にするなり種親にするなりすればよいです。
 古くなったピートは、温水でぐしゃぐしゃと何度か洗い、熱湯消毒をすることで再利用可能です。どれぐらい使えるのか?
 此ばっかりは分かりませんが、まぁ数回は使えるんじゃないでしょうか……? この辺は、まあ各自で判断して下さい。 僕のピートは一年使って、まだ継続して使っているような気もしますが……いつまで使用出来るのか実験中、って感じですね。


 密閉容器の方法は、安全であり確実ですが、大量に得るには密閉容器のサイズがネックとなります。果たして、其程大量のトビムシを必要とする場合があるのか? というのは迚も気になる所ですが、一応、大量繁殖の方法も試してはいます。

 方法は簡単で、衣装ケースで殖やすだけです。熱湯消毒をした衣装ケースとピートモスの中に、密閉容器で殖やしたトビムシを多めに移動し、其処で繁殖させます。
 此の方式は密閉ではない為、ダニが進入し全滅する、という危険が必ず付きまといます。全滅と書いてきましたが、勿論、数時間や一日で消えてしまう訳ではありません。然し、ダニが進入したコロニーからトビムシだけを取り出すのはほぼ不可能と考えて良く(以前、ダニとトビムシを仕分けた事ありますがね………やりたいですか? 僕は二度と遣りたくない、と思いましたよ……?)、ダニはトビムシの卵などを食べるようで、本当に数日から一週間で全滅してしまうのです。
 此を防ぐ方法はないのですが、方法により危険度を低くすることは可能です。まず、衣装ケースとピートモスの洗浄を徹底すること。
 次に、餌はドライイーストに限定することです。最初の餌となるものがなければ、ダニは中々寄りつきません。ドライイーストのみで、量は必ず一日以内に食べ尽くされる分量を入れます。
 そして、飼育部屋とは別の部屋の、金属ラックの一番上の方に置きます。ダニは空気中も飛びますが、歩いて進入する事も多いのです。経験上、地面との設置面積が少ない金属ラックの上に置くと、長持ちします。
 一ヶ月二ヶ月程度は問題ないのですが、三ヶ月ほどするとピートが汚れるのか、怪しくなって来ます。二ヶ月を目途に、ピートからトビムシを取り出し、ピートとケースを水で再度洗浄(お湯でじゃぶじゃぶと)、熱湯消毒をしてください。
 此の大量繁殖方式は、トビムシを積極的に餌として活用する人向けです。リスクも高いので、大きめのタッパーを十個使った方が確実性も高いし、ダニの湧きやすさは環境要因が大きいので、あまりオススメはしたくないですね……「すぐ全滅します」ってな事になるかもしれないので(苦笑

 トビムシだけでカエルを飼育することは出来ませんが、僕はハエやコオロギを与える時、一緒にトビムシをビバリウムの中に入れることにしています。ちょっとした、野菜代わり、な感覚でしょうか(笑