此処では、マウスの飼養に就いて記述しています。マウス飼養には様々な用途があるでしょうし、人により様々な方法論があると思いますが、此処に書いてあるのは先達の技術論を参考に、現在僕が実践している(読者が此処を読む時点で、していた、になる可能性は常にあります)方法です。個体数百程度の小規模飼養であり、目的は、爬虫類、主に哺乳類を主食とする蛇に与える餌として良質なものを、効率的に得ることです。
用いるマウスはハツカネズミです。チビネズミ、アカネズミの類を繁殖させられたら、小型のヘビを飼育する僕としては役立つのですが、今の処、試してみてはいません。
マウスの飼養は、その実かなり面倒で、冷凍マウスのみで蛇を飼育した方が格段に楽であることは論を俟たないでしょうが、活餌としてのマウスを常時必要とする人や、蛇の飼育頭数が百に近くなり、マウスを養殖した方がコスト的に見合う人ならば、飼養する意味合いは大いに有りますし、また、冷凍マウスを餌として使う人も、一度はマウスの飼養を経験すべきと僕などは思っています。理由は、「繁殖させることを考えれば安いものだ」と、心を広く持つ事が出来るからです(笑
まぁ、それは冗談で、一度飼養をやってみれば、冷凍マウスへの考えがいろいろと変わると思うので……尤も、其れを遣ると、マウスを餌として使えなくなるという方も居る様ですが。其処までは僕は責任持てませんからなぁ………
大規模に繁殖させ、外部からの血を一度も入れることなく、何代も重ねて繁殖させ、冷凍マウスを購入する事など有り得ない!という方は、極々一部でしょう。
無論、僕とて冷凍マウスは使う時は使います。然し、活マウスにのみ餌付いているヘビがいるので、やはり繁殖させるメリットは小さくないですし、タカサゴナメラやジムグリなど、活には餌付き易いが冷凍には餌付き難い、若しくは、活マウスから冷凍マウスという過程を要するヘビを飼育する際には、必須になって来ます。
亦、幼体を数多く飼育する人や、小型種(最大で80cm前後のナミヘビ)を多く飼育する人にあっては、種親として雄1雌2〜3を飼育し、ピンクマウスを産ませて順次餌にしていく方式は、採算面で有効と思います。親に迄成長させることなく、親を定期的に取り替え、子供だけをとっていくという事ですね。無論、手間が掛かるという意味では冷凍マウスを買った方がよいのですが。
近交系マウスについて云々という話もあるのですが、現在我々がショップなどから入手する真っ白なアルビノのハツカネズミは、近交系として確立されたものでしょうから、入手については其程気にしなくても良さそうです。一度に纏めて購入した種親を使い続ければ、問題はないと思われます。
何にしろ、延々と累代を重ねていく心算の方は、必ず同一近交系血統で累代を重ねましょう(途中でどっか別のところから由来の分からないマウスを入れるなとゆ〜ことですね)
マウスを買うのはイヤだから、そこら辺に居る連中を捕まえてはいけないか? と聞かれることがあるのか無いのかはさておき、アカネズミなどを飼育して餌付きの悪い潜り系の連中に役立てたい、等という考えもない限りはお薦めしません。まず、病原菌の媒体となる可能性がありますし、野生のマウスは総じて荒いです。野生のではなくても、所謂家庭や下水に現れるマウスを見れば一目瞭然かと思いますが、連中は人間に対し攻撃的です。恐れるということを知らないというか……其れに、都会で捕まるのは主にドブネズミですしね。僕も何度か好奇心とか必要に駆られてとか色々ありますが、捕まえて見たことがあるのですが、元気な奴らは恐ろしい動きをしてくれます。
正直申し上げまして、僕はアオダイショウやシマヘビ、マムシを捕獲するのと、野生のネズミ(何ネズミでもよいけど)を捕獲するのを天秤に掛けたら、素直に蛇の方が遙かに楽だと云えます。心臓に悪いのですよ、連中……罠を使うとしても、です。
だから、買うのが一番です。清潔ですし、なにより近交系として確立しているのですから、此を確立した先達は凄いなぁとか思いながら入手すればよいでしょう。
■雑記
僕が最初にマウスの飼育をしたのは、小学生の頃でした。当時理科実験室の掃除係であった僕は、実験室で飼育されていたマウスの世話もやっていました。教諭は教諭で、もっと多数のマウスを飼育していたので、何か勉強の意味合いで僕に面倒を見させて居たのかもしれません。
実験室で飼育されていたマウスは白く、目の赤い個体で、当時は女子もそれらのマウスを可愛いと言っていた気がします(マウスではなく、ハツカネズミと呼んでいましたが)。世話をしつつ、時折そのマウスを貰って持ち帰り、こっそり(と云う認識もなく、ただ普通に部屋で飼育していただけですが、結局誰も気付かなかったな……)飼育していたアオダイショウに与えてみたりしました。当時の僕は、爬虫類専門店というものの存在を知らず(時代的には、熱帯魚屋やデパート屋上のペット売り場とごっちゃになってた時代ですから、存在してなかったかもですが)、蛇は捕獲して来るもの、餌も捕獲してくるもの、という発想でした。そもそも、当時の生き物の飼い方の本には、そういう風に書いてあったのです。
デパートの上で、今からするとかなり高価で取引される蜥蜴などが販売されていた朧気な記憶がありますが、当時の僕には手の届くものではなかったですし、店の人と話した訳でもないので、そのころから冷凍マウスがあったのかどうかは分かりません。あったとしても購入して餌として与えることは出来なかったと思いますが。
何にしろ、実験室のマウスは、自分の部屋で飼養する訳ではなかったので、餌として最適だった訳です。今思えば、かなり好き勝手なことを遣っていたのだなぁという気がしますが……
其の時に、マウス飼育の基本は学んだ訳ですが、相当ショッキングな共食い、という現象も小学校の頃に見ていたのか……と思うと、小学校の頃の僕は精神的に強かったのだなぁと思います。或いは、当時は情緒が現在程育まれて無かったのか……少なくとも、今現在共食いを見ると、僕はかなり精神的に参ってしまいます。此を如何に見なくて済む様にするか、という事が、僕のマウス飼養に於ける最優先課題であると云っても差し支え無いでしょう。
そう。マウスは餌や水が無くなると、容赦なく共食いを始めますし、子供喰いという所行にも及びます。此はおそらく、蛇がマウスを食べる姿を見るよりも、倍数で比べられるレベルではなく衝撃的な画像ではないでしょうか。
言う迄も無いかと思いますが、此は見て全く楽しい映像ではないです。一度目撃すれば、「マウス飼養をする上では、この映像を如何に見ないで済ますか、という処がポイントになってくる」という意見に同意して頂けるのではないかと(笑)
とは言え、正しい方法で飼養する限り、共食いが起こる事はほぼ有り得ないでしょう。但し、ちょっと手を抜くと、その光景を目の当たりにすることになるでしょうが……
共食いが起こる理由は、幾つかありますが、大別すると三つです。
1,餌が欠乏すること。
2,水が欠乏すること。
3,居住空間が欠乏すること。
欠乏する、で揃えたのですが、居住空間が欠乏する、ってのは日本語として変ですな。此は主に或る程度成長したマウスの間で起こるのですが、子育ての際にも重要になってきます。
まぁ其れはさておき、一番から順を追って説明していきます。
◇>>餌
餌が欠乏すれば、即それは共食いの要因となります。特に成長期や妊娠期間に於いて、動物性蛋白質が欠乏すると此が顕著になると云います。植物性蛋白質だけでは補い切れない部分は、どうしても出てくる訳です。
過去に於いて此は大問題だったと思うのですが、現在では数々のハムスターフードが販売されており、此だけで累代繁殖が可能と考えます。
ニッパイのハムスターフードや、オリエンタル酵母の動物用飼料を僕は使っています。味が悪いとか魚粉を使っているので臭う等と云われている様ですが、餌用マウス飼養に於いては、それらは些したる問題には成らないと思います。元々、ハムスターよりもマウスは臭う生き物ですし、正直、僕は此の餌が他のに比べ臭うと感じたことはありません。寧ろ、動物性蛋白質として禽獣の類が含まれていないので、助かっています(僕は魚肉以外の動物性蛋白質――禽獣の肉をあまり食べないので。匂いもそうですが、粉として含まれているだけで相当の苦痛なのです)。
無論、気になるなら他の餌でもよいでしょうが、保存料や着色料が入っている様な製品はどうでしょう……この辺は個人のコダワリと思いますが。
オリエンタル酵母のものには、繁殖用や飼育用、長期飼育用など色々ありますが、主目的が繁殖にあることを考えると、餌は繁殖用のみで問題なさそうな気がします。が、まぁこの辺は個人の判断で選べばいいでしょう。
ハムスターフードは、ハムスター向けに作られて居るため、マウスに与えるには粗蛋白が多めに含まれていますが、餌用として飼養する場合、その殆どのマウスは成長期や妊娠期間である訳ですから、粗蛋白を多めに摂取しても問題はないと思います(成る可く世代交代を促す方法を採ることになりますから、アダルトサイズの個体を妊娠期間以外で長期に渡り飼育する場面はそう多くない筈です)。
勿論、若しも長期に渡り、妊娠させずに飼育する必要性が出た場合は、無農薬の野菜(人参等)等も与えるよう心がけるとよいと思います。
餌には、若いマウスでも食べられる様な柔らかいもの、というのが存在する様ですが、我が家では別に小さい個体に普通のハムスター・フードを与えていて食べられなくて困っているという場面は見受けられませんし、或る程度堅いフードである方が、歯を磨り減らしておくことが出来るので、わざわざ柔らかいものを用いる必要性はない気がします。
何であれ、餌の如何により、繁殖効率などは顕著に変わってきます。餌繁殖をする時は、どうにも安価さを追求するのに目が行きがちになってしまいますが、後々は蛇の飼育に用い、その蛇を繁殖させるという事迄視野に入れた場合、矢張り餌には或る程度気を遣う可きでしょう。勿論、高い餌なら必ずよいという訳ではありませんが、安くても別によいとも中々言い難い様な。そんな風に思う今日この頃です(誤魔化し
◇>>水
水が無くなると、マウスは共食いをします。比べるのも何ですが、フタホシコオロギの如く共食いをすると考えて下さい。
よって、断水が起こる時間が12時間以上あるとまずいと思います。12時間というのは僕の主観的なもので、別にデータとかがある訳じゃないですが……此は、相当ギリギリな数値と思います。6時間程度の断水も辛いのではないかと。
過去と違い、現在ではボールベアリングを使った小動物用給水器が販売されています。此が在るとないとでは大違いなので、必ずケースの数以上は揃えましょう。
水を入れ替える際、この吸水口は軽く洗浄し、熱湯或いはアルコール消毒します。清潔な環境で飼育するには必要な作業ですので、毎日の動きの中に組み込んでしまってください。組み込んで仕舞えば、其程苦では無くなります。
斯うした製品を使う事は経済的に負担が大きい(十、二十と買い揃えればそれなりの値段になりますからね)、という場合、水皿やタッパーを使いたくなるのが人情というもの。分からないでもありませんが、然し、水皿を入れっぱなしにすると、ほんの数時間で極度に汚れ、その中にマウスが入ってしまうと全身が汚れる上にケースまで汚すという事態に発展したりします。長期の飼養の観点や、蛇の餌とする用途からしても、マウスが常に清潔である必要性の高さは論を俟たないでしょう。よって、水皿を使うのは、給水ボトルを使った上でも水不足になる場合に限った方が無難と思います。
給水ボトルを入れて措いても水不足になる場合というのは、ストック目的のケースの場合です。つまり、中に入れているマウスの数が単純に多い、または密度が高い、或いはこの両方の要素が重なった場合です。斯うした場合、水を飲もうとボトルに近付いても、他の個体が飲んでいて中々順番が回ってこない、落ち着いて飲むことが出来ない、回ってくる頃には水が無くなっている……という事態があるわけです。
給水瓶を複数四隅に用意したりすれば、此の問題は解決しますが、其れは嫌だなぁという場合は、水皿を使えばいいでしょう。給水ボトルを設置した上で、夕方などに浅めの水皿を入れるという事ですが、此の水皿は必ず監視し、適度に水が行き渡ったと思ったら必ず取り出した方がいいと思います。長く入れすぎると床材が濡れて不衛生の元となりますので、水を零さない様に監視するとか、注意が必要ですし、僕は其程オススメはしませんが。
寧ろ、多数を一つのケースの中でストックする場合は、エサの方に気を配った方が楽かもしれませんす。乾燥餌だけでなく、ちょっと贅沢ではありますが、林檎、西瓜、蜜柑などの水分を多く含む果実(皮むきは必須です)、其処まで行かずとも、人参、トマトなどを入れておくことで、最悪の事態(=共食い)は抑制出来ます。
…………結局、僕は横着な人間なので、給水ボトルを複数設置することで対処している気がしますが(笑
◇>>居住空間
余りにも高密度の環境でマウスを飼育すると、此また共食いが始まります。というか、そもそも、身動きすら出来ぬ広さでは餌や水が行き届かなくなり、弱る個体と強くなる個体が必ず出てきます。弱まった個体はそのまま衰弱死し、仲間はその肉を貪ることになるというだけで、積極的に殺し合うという訳でもありませんが(ストレスが溜まってれば、勿論其の限りではありませんが)。
何にしろ、此は見た目かなり厳しいです。餌の遣り方や設置場所などにも依るので一概には言えませんが、マウス一匹に対して、単行本一冊ちょっとぐらいのスペースはあった方がいいと思います。
広く居住空間を与えるもう一つの理由は、繰り返しになりますが清潔さの確保です。狭いと、床材交換をする前に、マウスが自分の糞に接触する機会が多くなり、斯うした些細な事が積み重なるとマウスが不潔になり、ひいては飼養そのもののが苦痛になって来ます。何事も、一寸した日々の工夫、心配りの積み重ねが、全体的な簡易さを下支えするものです。
ケースは実験室で用いられる繁殖用ケースが入手出来れば最適なのですが(でもやたら高いので、オススメかと言われるとちょっと難しい)、この辺は値段との兼ね合いもあるでしょうから、各自ベストと思うものを探してください。最低条件として熱湯消毒に耐える素材であることぐらいはクリアする製品がよいと思いますが……居住空間や餌の量に問題がない限りは、脱走を試みることは稀だと思います。
忘れては行けないのは、居住空間とは、単純なケースの床面積では無いということです。広さが十分にあっても、“潜れる”床材がない環境だと、ストレスになって脱走したり、子供の世話を安心して出来ずにパニックになることもあるようです。ウッドシェイブやペーパーシェイブは、自分が潜って安心する以外に、子供を軽く埋めて外敵から隠す作業をする際の重要な素材なのです。
繁殖ケースでは、床面積だけでなく、空間の使い方、つまり、シェイブの上と下で違う空間が形成出来るということに注意を払いましょう(ストックの時は、また別の考え方があるのですが)。
床材として、ウッドシェイブや猫砂(砂とは云いますが、昨今のものは紙で出来ているみたいですね?)、シュレッドした新聞紙、シュレッドしていない新聞紙(普通に敷いて使います)くなどを用います。この辺は個人の好みでしょう。個々人でベストと思うものを探してください。
参考迄に描いておくと、僕はトフカスサンドというオカラを主原料にした猫砂を薄く敷き、その上にパインチップを潜れるぐらい敷き詰めた環境を使ってます。
此の環境で、床材の入れ替えを、一週間に二回ほど行います。匂いがするのが個人的に好きではないので、気になればもっと頻繁にやりますが。また、当然ながら夏場は頻繁に変えた方がいいでしょう。この辺は、飼育ケースが設置された部屋にもよりますので一概には言えません。
繁殖用ケースに入れるマウスは、オス1メス2〜4程度がよいと思います。オス同士は同腹や子供の頃から育ったものでないと、喧嘩することが多い様です。メスは、他のメス親が産んだ子供でも殺す事はありませんので、妊娠してからも隔離する必要性はありませんが、床材掃除の際の刺激が気になるならば、妊娠し、そろそろ産むなぁという頃に、一匹だけ分けて出産させ、育児に専念させるのも手ではあります。
マウス飼養に於ける最大の問題点は、その飼育の際に発生する臭いであり、その悪臭の発生源の九割方は排泄物です。長く放置しすぎればケースも狭い訳ですから自然糞にまみれることになり、衛生面から良くありません。そもそも餌として与える訳で、体が糞で汚れ細菌が増殖しているようなマウスを食べれば、蛇に何らかの悪影響が直接的に出ることは想像に難くないことです。
そもそも、マウスの糞はアンモニアを発するので、放置して部屋に充満した場合、冗談抜きで人間の生死に関係してきてしまいます。
ケース自体を吊し、糞が貯まり難くするなどの方式もあるでしょうが、ケースの数が一つや二つならば兎も角、多くなれば其れも現実的ではなく、結局のところ人海戦術が最も確実で清潔な方法であると思います。
こうした作業を苦痛で無くす方法の一つは、完全にシステム化してしまう事です。例えば、五段の棚を用意し、上四段にマウスを入れ、一番下の一段は空のケースにする。毎日一段ずつケースを清掃することにし、飼育ケースを取り出し、空のケースを引き出して移動し、飼育していた場所へ戻す。この作業を繰り返し、汚れたケースを回収する。汚れていない床材を横に移動し、汚れている部分は捨て、水洗いする。拭かなくとも乾燥する環境なら、そのまま一番下の段にまた並べればいい。その際、汚れていない床材を、ケースが乾くまでの間入れておくケースも予めそれ専用として用意しておき、次回の入れ替えの時にそれを使うようにすればいい。
文章にすると長いですが、要は自分の体で、全体を把握することです。マウスの数や、成長段階により汚れ方は当然変わってくる。それを理解し、ローテーションすればよい様に配分し、調整をかける。此ばかりは、飼育環境――温度や照明などからも変動するでしょうから、体得するしかありません。
そうした状況の把握とは、同時に繁殖数の把握も含みます。殖え過ぎた場合は冷凍保存すればよいという考えもありますが、家庭用の冷蔵庫では冷凍までの時間からして一般的に販売される冷凍マウスほどの品質を期待出来ないでしょう。業務用の、氷点下数十度に達するような冷蔵庫を購入するのは誰にでも出来ることでは無いでしょうし。
ストック目的のケースでは、密度はもっと高くても構いません。というか、密度を高く買う為に、床材として入れるウッドシェイブやペーパーシェイブの量を増やし、使用可能な空間をより広くしてやります。空間が足りないと、共食いが起こる事は勿論の事乍ら、脱走を試みる輩が出て来ます。此はエサや水が不足してもそうなるので、エサは全体に十分に行き渡り続ける量を確保すること、水も同様です。
僕自身は、アダルトマウスは冷凍マウスを使うことが多く、アダルトまで育成する必要性は其程ありませんので、サイクルに合わせて、種親候補を雌雄合わせて十余ほど育成し、それ以外の殖えすぎたマウスは、さっさと餌にしてしまうか、冷凍処理してしまいます。
種親候補の育成は、同サイズのもの同士のみを同居させる関係上、自然同じ腹の個体になると思います。それならば問題はないのですが、別腹同士を見合わせた場合、喧嘩になる事が多いです。大きさが違えば間違いなく喧嘩になり、大きい方が小さい方を殺してしまいます。特に性成熟を迎えてから同居させた場合、オス同士は激しく闘争する様です。成る可く一つの育成用ケースには同腹の仔を入れる様にし、それでも喧嘩をしている様だったら、喧嘩をしている個体はさっさと分けてしまいましょう。
斯うしたストック用(育成用)ケースは、収容する個体数の違いがあるだけで、基本的に繁殖用ケースとメンテナンスなどは変わりませんが、より多くの数を入れるのでメンテナンスが頻繁になるのは言う迄もありません。また、ストック用ケースでは、繰り返しになりますが、水入れを複数箇所に設置する様にするとよい様です。また、エサも全体に回る様にします。
ストック用ケースでも、上手くやればメスは妊娠しますが、密度が高い環境で産んでも、その後の子育てが上手く行かない場合が多いので、その場合は妊娠した時点で分けるか、産んだ時点でピンキーを冷凍処理に回すようにするとよいかと思います。
◇>>餌とする前段階
自分で餌を食べ始めるホッパー以上のサイズのマウスに限りますが、餌として与える数日前から、餌用マウスケージに移動し、ローディングを始めます。三日を掛ける必要はなく、まる二日と餌として与える迄の一日、或いは更に一日減らしてもよいでしょう。この辺は個人の好みです。
自分で餌を食べ始める頃から、亜成体、成体までのマウスには、この段階を踏むことを僕は好みます。此の期間、マウスには通常とは異なる餌を与えます。比率としては植物性蛋白質の量を多くし、ビタミン、ミネラルなどを多く摂取してもらいます。クロレラなんかもよい感じです。
悪食なので比較的何でも食べますが、種類によっては残される場合があります(クロレラなどは人気が低い)。そういう場合はハムスターフードを砕いたものを振りかけたり、バナナ等と混ぜ込んだりすると、食べてくれることがあったりなかったりします。
此の、所謂ローディング作業には其程意味はありません。何となく、熱帯魚飼育時代、「肉食魚であるアロワナでも、草を食べた草食昆虫を食べたり、藻を食べる小魚を食べる事により間接的に大量の野菜を食べている」という話を耳にしたことが僕はどうしても忘れられず、以来、餌動物の餌に工夫をすることは、飼育に於ける一つのこだわりになっているのです。
◇>>冷凍処理
活マウスとして与えるならば、其程の問題はありませんが、時として冷凍処理を施し、保存して措きたいと思うかもしれません。其の場合は、所謂食品用の冷蔵庫などではなく、専門の冷凍庫を用意しましょう。
そもそも、マイナス数十℃に達する業務用冷凍庫でもない限り、マウスの冷凍処理というのは上質には行かないので、個人レベルではオススメしかねるのですが。急冷ボタンがあるような冷凍専門庫ならば、そこそこ上手く行きます。然し、矢張りサイズが大きいものは難しいと言わざるを得ないので、数の抑制を目的とするなら、ピンクの段階で凍らせましょう。
ピンク、ファジー、程度ならば、ポリプロピレンの容器に入れて冷凍庫に入れ、急冷ボタンを押すだけで問題はありません。
然し、ホッパーやセミアダルト、アダルトサイズになってくると、少々話が変わってきます。自分で絞めて、動かない用にしてから冷凍せねばなりません。
絞め方は色々あるのでしょうが、僕の中で重要なのは僕が反撃を喰らって咬まれない事、あとは一瞬で終わる事です。
故に、方法としては脊椎を損傷させるのが一番と思っています。首の後ろを掴みつつ、尻尾を持ち、尻尾を加減して引っ張ると同時に指に力を籠めます。そうすると、まぁ脊椎が伸び、破壊され、絶命するのですが、力加減にやや経験を要します。この辺は、妙な言い方ですが、慣れというものでしょうね。
単純に、頸椎を絞め圧迫して殺すという手もありますが、此は慣れないと、そして躊躇い無くやらないと咬まれる危険性が高いです。あと、気分的に陰鬱な気分になるかもしれません。
どうしても自分の手で殺せないという場合は、二酸化炭素を買ってきて、マウスを入れた密閉容器の中に吹き込めばよいでしょう。酸素濃度が4%以下の空気を吸うと、比較的速やかに意識が落ちるので苦しんだりとかはありませんから、そのまま二酸化炭素で窒息させるか、冷蔵庫に早々に移動してしまうのもよいでしょう。
此の作業、遣ってみれば分かりますが、中々に辛いです。此を遣ったら、ヘビが飼えなくなったという方がいる理由も分かるというもの。
僕としても、理由はやや違いますが、菜食傾向の強い人間なので、それを一笑に付す事は出来ませんしね………マウスの飼養の終着点はどうであれ此処なのですが、実際に此処迄来ると、中々に業が深くなって来ますね、どうにも……
◇>>小さいピンクマウスを得る方法
現在僕が模索しているのが、此の、小さいピンクマウスを得る方法だったりします。僕のところでは、所謂ピンクのSSサイズというものを得られず、いつもS、或いはSよりやや大きいサイズで生まれます。大きさは栄養状態に左右されると言いますが……栄養をカットする訳にも行きませんし。温度調節も妊娠中にどれぐらい迄下げてよいのか、今一つ自信が………初産だからって小さいのが生まれる、という訳でもない様だし………
小型のヘビの餌にするには、どうにも大きすぎる場合があるので、如何すれば小さいピンクマウスを得られるのか。その方法論を知る事は、結構僕にとっては重要であったりするのですが。
単純に、気温の問題なのでしょうか………?